後漢の末期、農村では搾取が強化され自然災害が続いておりました。その中で一種のカルト信者集団が生まれ、中国全土の民衆がこれに呼応して各地の役所などが焼き払われました。信者たちは目印に黄色い布で頭をくるんでいたので黄巾賊と呼ばれました。漢朝の力は既に衰え、取り締まる力もなく黄巾賊は略奪を繰り返しておりました。そんな中、河北省涿州の田舎にある桃園に三人の男が集い、義兄弟の契りを結びました。関朝の血をひく劉備を長兄とする関羽・張飛の三人です。三人は現状を憂えて、関朝が募集した義勇軍に応じる事になりました。三人は「生まれた時は違っても死ぬときは一緒」と固く誓い合います。いうところの「桃園の誓い」です。
備(び)…劉備玄徳
黄賊(きぞく)…黄巾賊
とうえんちかい むらへはる いぬやねこつれ ひもすわり さけをのみゆめ よなおしに きそくあせたえ ほろふまて
では主要な登場人物の紹介から始めます。
劉備玄徳は漢の景帝の子孫ですが、家は没落して貧しい家庭に育ちました。後に朝廷に奏上し、その家系を認められます。生涯を通じて義を重んじ、その仁徳を慕い多くの有能な人材が集まりました。関羽・張飛とは義兄弟の契りを結び、諸葛亮孔明とは後に「水魚の交わり」という言葉を残します。
りゆうひかんの まつえいよ さやけきめもち むしろおる いねをわすれぬ たみへこえ あとはそらにほ せくふなて