林 賢 治  作 品 集
 
 
 林賢治先生は大分市在住の童話・絵本作家です。
 ファンの方からは、" 大分の宮沢賢治 "と呼ばれております。
 今回もお願いして、新作をこのホームページに掲載させて頂きました。
 では、林先生の独特の世界をお楽しみ下さい。
 
        (原画が本でしたので、少し見にくい点があるかも知れませんがご了承ください)
 
  
(第1部)  [ 旅は楽し ] (時刻表を片手にプランを練る) 
 
 
 
 
 
 津軽海峡ひとっ飛び
 函館駅から今度は青函
トンネルで海の底へ
 青森を目指すよ
 バンさん、海の底最深部は449m怖くないかな
 うん、
 お父さんとお母さんと
一緒だから怖くないよ
 
 わあー!!
 赤いリンゴがいっぱい
だね。
 遠く岩木山の麓まで
ずーっとリンゴ畑だよ
 さすが弘前だね
 お父さんこれが見たかった。
 あ、お母さんがリンゴ狩りしてる
 バンさん一つもらって食べなさい
 リンゴ大好きだからね
 
 バンさん、この列車今来た方向に戻っているね
 うん ! 何でかな
 スイッチバックしてるんだよ
 列車が高い山に登る時にこうして行ったり来たりして山越えするんだよ
 あの山の向こうには十和田湖があるよ
 お父さんとお母さんは昔レンタカーで行き十和田湖畔に宿泊して奥入瀬渓流に沿って走り八戸に出たよ
  
 
 バンちゃん、
 駅のプラットホームで手を振って見送ってくれてるね
 ここから1GRいわて
銀河鉄道で八戸に行くよ
 お魚がおいしいよ
  
 
 三陸鉄道に乗り込みました
 太平洋の地平線がみえるね
 地球は丸いんだね、お母さん
 今度は船に乗ってアメリカに行こう
  
 浄土ヶ浜
 生きてることに感謝ですね
 白砂青松
 心が洗われるね
 
 盛岡行きの列車にイノシシが猪突猛進して列車が止まった
 花巻行きの列車に間に合うかな
  
 ここは花巻、宮沢賢治生誕の地です
 賢治とケン君がケンジの宿で会えた
 夜遅く新花巻駅より暗い道をこちらの方角かなと歩いて行く
 明かりが見えた
 ケンジの宿に着いた
 九州大分県から来た
賢治ですと挨拶すると大歓迎され楽しい一夜を過ごしました
 
 
 銀河鉄道に乗って
宇宙の旅に出発
 バンさんうれしいね
 
 うん、最高だね
 
 向こうに北十字星(はくちょう座)がキレイに輝いています
  
 
 東大の赤門だね
 よし!!
 東大入学だ
 しっかり勉強して
ケン君ノーベル賞を受賞するぞ
 ターコもバンも応援するよね
 
  バンさん忠犬ハチ公に会いに行こうね
 うん、会いたい
 赤門から近いよ
 農学部の中庭に居るよ
 あ!!あそこに居るよ
 ハチ公は渋谷駅まで飼い主さんの帰りを毎日出迎えに行き
飼い主の死去後も約10年にわたって通い続け、飼い主の帰りを待ったという秋田犬だよ
 
 
 バンちゃん、瀬戸大橋
渡ってるね
 下を見てごらん
 赤い貨物船が
 この上には車も通ってるんだよ
 すごいね
 高松で讃岐うどん
食べようね
 おいしいよ 
 
 
 
  讃岐うどん食べて 
 琴電で琴平神宮へ
 お母さん785段の階段登れるかな
 うん、どうかな
 バンが手を引いてあげるからね
 ありがとうバンちゃん
 
 
  金刀比羅宮からJRで
高知へ
 お坊さんがはりまや橋で、かんざし買ってるね
 お母さんに買ってあげようか
 坂本龍馬が太平洋を見つめています
 きっとアメリカを想い俺もアメリカへ行こうと決心してるのかな
 
  バンさん
 高知から四国山地を横断して、伊予西条に行くよ
 わぁ! 狭くてクネクネの道だね
 うん、お父さんも初めての道です
 どうにか頂上付近だよ
 石鎚山が左手にそびえているね
 
  
 バンちゃん
 いよいよ最終日だね
 うん、楽しかったね
 お父さんの念願の宮沢賢治にも会えたしね
 この豊予大橋を渡ったら大分県の佐賀関に着きます
 
 
 (第2部) 
 
      編
   フ  集
   ォ  上
   ト  つ
   を  ぶ
   付  や
   け  き
   さ  集
   せ  に
   て  は
   頂
   き
   ま
   し
   た
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  新作は如何でしたでしょうか。
   林先生には これからもお元気で、創作活動に励んで頂きたいと
 思います。・・・有難うございました。
  
 
 
   [ ケンとクロ ]  (ブラックホールへの旅立ち)        
 
 
 林賢治先生は大分市在住の童話・絵本作家です。
 今回、お願いして著作の一部を掲載させて頂きました。
     
(エッセイに挿絵を挿入
させて頂いております)
    
 ケンとクロ、ブラックホールへ
旅立ちます。
 「クロさん、大分ホーバー乗り場まで最後の散歩だね」
 「うん、最後の散歩だね」
 「お母さん、今までありがとう、
楽しかったね」
 「クロちゃん行ってしまうのね、
気をつけてね、行ってらっしゃい」
 ケンとクロ、高崎山のお猿さんが見送っているよ。
 「バイバーイ」
 
 
 ケンとクロはホーバーに乗り込みました。
 「わぁ~、すごいね」出発です。
 ホーバーが海の上に浮かび、波しぶきをあげて大分宇宙空港へ。
 「速いね」
 「クロさん、左手には別府タワー
だよ」
 「別府の町よ、元気でね」
 「お父さん、扇山のゴルフ場が見えるよ。もうゴルフ出来ないね」
 「ブラックホールで出来るかも。クロさんはキャディーだ」
 
 
 
 ケンとクロは
大分宇宙空港へ着きました。
 「宇宙への案内人、ロケットが飛行機のお腹にへばりついてるね」
 いよいよロケットに乗り込みます。
 ロケットが飛行機から
切り離され宇宙へ、眼下に
五辻不動尊が見えます。
 国東六郷満山寺院を開基したと
いわれる仁聞が修行した
不動明王奉岩寺です。
 ロケットはぐんぐん上昇し、ついに宇宙空間に突入した。
「クロさん宇宙だぞ」
 「お星さまがきれいだね。」
 
 
 
  織姫と彦星が天の川でだまって
向きあっています。
 今日は7月7日七夕の日です。
 織姫と彦星は結婚しているが、
年に一度しか会うことが出来ません。
 愛しているのに会えない。
 こんな淋しさにも耐えて二人は
7月7日を待っています。
 今日は天の川の真ん中でお互いを
見つめあい二人の絆を
確かめあっているのです。
 
 
 
  しばらく行くと満月が間近に「きれいなお姫様が月に帰って行ってるよ」
「かぐや姫だ、手を振ってごらん」
 「あ、お姫様も手を振ってるよ」
  「きれいなお姫様だね」
「うん、きれいだね」
 
 
  「クロさん、南十字星の向こうにブラックホールが見えてきたよ」
 目には見えないはずのブラックホールが二人には見える。
 「あそこに突っ込むの」
「うん、そうだよ」
 ブラックホールの中に入ると、ものすごい重力で光さえ出てこれない。
 [行くぞ、クロさん]
[うん、お父さん手を
  離さないでね」
[離さないよ、これからも
ずーっとずーっと一緒だからね]
 [ずーっとずーっと一緒だね]
 みんな、ありがとうバイバーイ、
 さようなら
 
 
 「ケンとクロ」 (ブラックホールへの旅立ち) 終わり 
 
 
      エッセイ「つぶやき」 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 お母さんとクロ
 幼犬期のクロ
 
 
最後までご覧頂き、 有難うございました